割烹の宿いま井 五十嵐邸結
新潟県 月岡温泉
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- 月岡温泉にある「割烹の宿いま井」に宿泊。駐車場に車を駐めたが誰も現れない。いやな予感がしたがその通りの宿であった。勿論門をくぐっても玄関に入っても…。チェックアウト時も廊下で誰にも会わず、玄関付近で声をかけても返事が無い。仕方なく自分で靴を捜して車に向かうことになった。
- 客室は葵の間で12畳の主室に8畳の副室。庭に面していて苔が清々しい。
- 数年前に新潟の豪農「五十嵐邸」に買収され、そのときに家族風呂(貸切)が新設されたようだ。月岡温泉の湯は北海道の豊富温泉に似ていて、どちらも石油の試掘で出た湯のためほんの僅かに原油を含んでいる。湯浴みは素晴らしく、この温泉に入るためだけに訪れても良いと思えるほどだ。
新潟の地酒を90種類ほど試飲(有料)できる「新潟地酒蔵KURA」を始め4つほどのスポットが温泉街にあり、浴衣で出掛けられるように整備されている。また他の店もなかなかお洒落で”温泉街ブラ”だけでも楽しい。特にこのお宿はその温泉街の中心にあるので、スポット巡りには最高である。 - 割烹を謳う料理旅館だったので、突っ込みどころ満載の料理だった。
前菜のちまきは飯を穴子で巻いたのでベタベタ。他の前菜もぼんやり味。特選料理と呼ばれる鮑の雲丹乗せは見た目が酷いし、せっかくの雲丹が鮑の余熱で生焼け状態。一緒に焼き上げた野菜類も魚介の汁でちまきと同様。味噌汁にはなぜ山椒の実が入れたのだろう。折角の鰻の蒲焼きは煮浸しでふわふわ感が台無し。香の物は写真では見えにくいが、直径2cm近くの牛蒡がざっくりで食べやすさより手数重視。最後の〆は「フルーツクリームソーダ」という名称のデザート。器に入った果物にソーダをかけるのであれば、小粋な入れ物に移し替えて出すだろうが、100円のクラブソーダのリサイクル瓶そのままで登場。
- 独創性は買うものの、的を射てないので折角の食材を台無しにしている感がある。また如何に簡単に調理できるかを優先しているとも思われた。だから見た目も味も美しくないし食べやすさを感じなかった。妻も私も完食したのは2.3品ぐらいで、手を付けなかったり残したりした料理がかなりあった。朝食も茶碗蒸しや味噌汁を始め同様だ。そもそも料理をここまで残したことは一度も無い。食材に対して大変申し訳ないことをしてしまった。
○休などの口コミは100%信頼出来る訳では無いので参考程度に留めているが、料理を満点の5を付けた方とのあまりのギャップに驚く。 - 擬態語を何度も使うことになるが、副室に敷かれた寝具類も湿気でベタベタ。気持ち悪い寝心地で、まさにウォータベッド状態だった。
- 部屋お付きの仲居さんや料理を出していただいた方は対応も仕草もスマート。とても感じの良い方だった。
「五十嵐邸」として再建してからなのかどうか分からないが、玄関周りも客室整備も人手不足が否めない。特に夕食時に女性一人に給仕させながら寝具も同時進行で用意させるのはどうなのだろうかと思った。
板長は45歳。料理に関しては人員不足と言うより…。
- 参考価格…40110円
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