柿右衛門窯
佐賀県 有田町

   
柿右衛門窯  
 
   
よく整備されている庭
   
   
 

有田焼で一番有名な柿右衛門窯、
と言うより、日本一知られた窯元「柿右衛門」である。

20数年前から日本伝統工芸展によく出掛けていた。
毎年秋、三越で開催するのだ。
まだ十四代が活躍していた頃、
30代の息子が野あざみ絵の大皿を出品していた。
穂先は荒々しかったものの、大胆さが好きだった。

奥の古磁美術館に、
三越で観た作品を更に大きくした十五代のあざみの大皿が置いてあった。
襲名したばかりであるにも関わらず、数百万の値札。
人間国宝の父を担った故の価格なのか、
それともこれが伝統窯を背負う宿命なのか。

既に磁器という枠を超え、
投機目的で売買されているのと変わりない。
柿右衛門はさり気ない日常を楽しむという器の外、
はみ出た世界にある、ということである。
 

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