太良嶽温泉 蟹御殿 離れ 露天風呂付客室 オーシャンスイート

 佐賀中心部より有明海を臨みながら長崎方面に向かいます。干潟面積が日本一の有明海は、干満の差は6メートルにも達すると言います。干潟時に生息するいろいろな生物は太陽の恵み遠赤外線をふんだんに吸い込みます。この周辺で捕れた海の幸は、その栄養がたっぷりつまっています。
 日本最大の干潟を持つ有明海沿いの国道を走ると、あちこちに「カキ」「蟹」の看板がお目見えし、長崎県境の太良町にカニと温泉をうたったその名もずばりの蟹御殿があります。有明海のプランクトンで育って格別に美味しいとされる竹崎蟹を1年中味わうことができる宿です。
 その蟹御殿本館には露天付客室がありますが、敷地内に離れができたというので、訪ねてみました。本館駐車場のすぐ脇にあり、竹藪を整地して出来た外観は黒一色で、まるで美術館の様相を呈しています。手前より、柔らかなお湯にまどろむ「オーシャンスイート」、森と風とひとつになる「アジアンスイート」、星空のまぶしさを知る「スタースイート」、静けさの奥ゆかしさに癒される「ストーンスイート」とキャッチフレーズも独特な離れが4棟あり、それぞれに趣が異なっています。
  4棟の中で唯一竹藪越しに有明海を臨むことが出来る、一番人気となっているオーシャンスイートに宿泊しました。

有明海を臨む雄大な景観

本館から雲仙岳 早朝の有明海
離れの外観 リビング備え付けソファ
液晶TV/BoseのCDプレイヤー 寝室(和室)
愉しさ誘う洗面 清潔感あるバス
思いの外広い露天 広々なデッキ

  • 2008年6月にオープンした離れで、まだ1ヶ月余りしか経過していないので、何処も非常に綺麗です。
  • 客室の構成は2,3名でも余裕の檜露天風呂をオープンデッキ中央に配し、リビングと寝室となっています。室内もオープンで、リビングと寝室はパーティションを設けていないので、開放感があります。その他にトイレやパウダールーム、内湯としてバスルームがあります。トイレとバスルームも透明ガラスで仕切っただけになっています。洗面はボウルタイプではなく、直線をあしらった斬新さが目を引きます。トイレも自動で開閉するなど、愉しさを覚えます。リビング内にはBoseのCDプレイヤーや冷蔵庫、客室内でコーヒーが飲めるようにドリップ式のコーヒーも置かれています。全体的に白を基調とした室内なので、清楚な感覚の客室です。
  • 中央にある露天風呂は、系列の奥武雄温泉「風の森」と同様の工務店が建てた事が分かる似た造りとなっています。写真で見る限りはやや小振りかと思いましたが、深く寝そべってやっと足が届くほどの余裕の広さで、ナトリウム炭酸水素塩泉で無色透明、神経痛や皮膚病に効くとされる肌に優しい温泉なので、カップルで湯浴みするにはもってこいです。
  • 竹藪からは垣間見るように眼下に有明海があります。遠くの漁火と竹林が奏でるささやきに、夜の湯浴みは幻想的なムードを醸し出します。
  • 本館ロビー脇の談話室にはコーヒーが置かれ、有明海を臨みながら煎りたてを愉しむことが出来ます。談話室からのオープンデッキは眺望が素晴らしく、遠浅の有明海と雲仙普賢岳を眺めることが出来ます干満の差が6メートルという話の通り、夕方と朝の眺望は一変します。朝方の有明海だけを見れば普通の海の様相をしていましたが、前日の干潟を目の当たりにしていたので、そのあまりの違いは一見の価値があります。
ピーナッツ豆腐 茶碗蒸し
海茸の粕つけ 三種お造り
竹崎蟹の宴 焼き蟹
酢の物 レアチーズダンジェ

  • まどろむ時間を過ごすには離れだけで十分事足りますが、夕食と朝食だけは本館に向かいます。
    離れを出て、芝生を歩きます。本館と繋ぐ雨除けの通路は全く無いので、悪天候の日などはやや心配な面があります。
  • 本館では海に面して夕闇に消えていく雲仙を眺めながらの食事となります。個室風の食事処では、まさに竹崎蟹のオンパレードです。夕食に蟹のお刺身・塩ゆで蟹・焼き蟹・蟹めし等が登場します。特に浜茹でした竹崎蟹は優しい味わいで、かすかな海水の塩加減と甘い蟹の旨味がマッチして絶品でした。茶碗蒸しや有明海産穴子の治部煮で一休みした後に、焼いた竹崎蟹、締めの蟹めしと蟹フルコースで満足度は最高潮といったところでしょう。
    タラバガニやズワイガニ比べて竹崎蟹は小粒ですが、あの柔らかな甘みはこの蟹ならではです。蟹が大好物な人にとっては、「蟹御殿」は食事も温泉も愉しめる、一押しの宿となるでしょう。
  • 翌日の朝食もしっかり蟹料理の焼売が登場しますが、全体的にはあっさりとした和のもてなしとなります。南部鉄器を使った釜のヒノヒカリは勿論炊きたてです。岩手の鉄器を使用しているものの、さすがに九州の米は、新潟/東北の米処とは格段の違いを感じました。米は断然東北方面が旨いです。
彩り豊かな朝食 蟹焼売も登場

  • 「気のおけない人との大切な休日を」という言葉の通り、本館とは全くコンセプトが異なります。モダンな中に安らぎを追求した家具やアメニティの数々。離れと言うよりは静けさを求めた別荘感覚です。今でも十分心地いい快適空間ですが、これで食のひとときも同じ雰囲気を醸し出してくれれば、言うことありません。
    いずれは離れ専用のダイニングを望みたいところです。


  • 宿泊日 大夕焼迫る雲仙普賢岳
  • 参考価格 29400円
  • 太良嶽温泉ホテル 蟹御殿の予約

夕食 客室 風呂 サービス 清潔感
蟹三昧のコース 開放的な間取り オープンで広々 純朴なもてなし オープン1ヶ月
個室ダイニングがあれば… 別荘感覚 欲しい雨よけ◎ リーズナブルな料金 今後の対応を
 

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