湯野浜温泉 ホテル満光園 特別室離れ はごろも

  波音と松風の響きがさわやかないで湯の里。
 湯野浜温泉は日本海に面した海浜の温泉郷で、夏は海水浴で賑わいます。殆ど海沿いに宿を形成していますが、ここ満光園だけは高台に位置しています。
 たゆたう波の彼方にゆっくりと沈む真っ赤な夕日やロマンチックで郷愁あふれる日本海の夕日が眺められ、訪れる人の旅情をいっそうかきたててくれます。館内どこからでも海に沈む夕日が眺められます。
 海岸ちかくまで迫る湯野浜温泉は、海の幸ばかりでなく山の幸も豊富です。そんな山海の旬の食材を贅沢に囲炉裏炭焼きできるというので、宿泊してみました。
 館内は本館と和室や和洋室、
華松亭という檜風呂がついた客室もあります。離れは本館よりつながれた廊下を歩いた奥にあります。その先の木枠戸を開けたところが「はごろも」となります。この戸も離れの鍵を持った客のみが開けられるので、悪戯で他の客が出入りしたりすることはありません。
 
本館はカラオケや土産物売り場で客が行き来しています。このはごろもは最近の「離れ風」という設定ではなく、完全独立したな離れの客室になっています。全く別のホテルが2軒建っていると言えば理解できるかと思います。

 
喧噪をよそに非常に静かな時間が約束されます。


  • 特別室の静かな離れ「はごろも」はとても広々です。綺麗な板間が光るエントランスから廊下に入ると和室8畳、10畳、12畳の3つが広がり、1軒の数寄屋造りになっています。夕食時に使用するダイニング(10畳程度)は5、6人でもゆったり座れるほどの大きな囲炉裏が切ってあり、食事休憩用のテーブルも置いてあります。囲炉裏会席用のためだけに広々としたダイニングがあるのがこの部屋の特徴です。炭火や魚介類は特有の臭いがありますが、和室にこもらなくて快適です。なお布団は頼めば何処の部屋でもひいてくれます。
  • 6畳程の浴室には源泉がそのまま流れている檜風呂があります。宿泊した当時は本館の華松亭も檜風呂がありましたが、沸かし湯を使用していいました。現在は源泉をつないでいるようです。
    湯野浜温泉の成分には、ナトリウム・カリウム・マグネシウム・カルシウムが多く含まれています。泉質はアルカリ性で肌をスベスベに整え、カルシウムやマグネシウムには鎮静効果があると言われています。
    あがった後もぽかぽかで、しばらく湯冷めしません。寒い時期ながら足繁く通わなかったのは、この効能のお陰でしょう。
  • ここの一番のお薦めは囲炉裏会席です。
    炭火がパチパチ焚かれた部屋に巨大な刺身の舟盛り( 姿造り )が登場します。冬場だったので、鯛、間八、生雲丹、貝類等、日本海の幸を満載して非常に豪華です。口細かれい、さざえ壷焼き、いか、山形牛ステーキ、弁慶めしは炭火に乗せて炙ります。弁慶めしといのは、おにぎりに味噌をまぶし、塩漬けした山形青菜で包んだ(義経伝説の中で奥州平泉に向かう途中、最上川で村人から頂いたおにぎり)ものです。炭火で焼くと香ばしく、囲炉裏部屋全体が焼き物でぷんぷんします。
    この他にもどんがら汁という番屋鍋は、多様な魚介類の出汁が混じりあって濃厚な旨味です。この地方ではお味噌汁とおかずを一緒にした一品料理で昔ながらの漁師の家庭料理のことを言うのですが、これもなかなかの量で何杯おかわりしても鍋底が見えません。それに何と具の多いこと!
    まだ宴の終わりを告げません。平目寿司、ずわい蟹、牛乳豆腐、ラ・フランスシャ−ベット…。
    これ全て食べられますか?

  • 朝食もなかなかに愉快です。大広間の一番見渡しのいいところに案内されます。すると旅館の普通の朝御飯が膳で運ばれてきますが、これだけではありません。
    この広間では毎朝恒例の餅つきが行われます。勿論飛び入り大歓迎の餅つきです。つきたての餅はすぐに雑煮、納豆餅、あんこ餅、辛み餅になって客のところへ運ばれます。一つ一つはさほどではないものの、これが幾つもあるとなかなかのボリュームです。つきたてで美味しいのでついついおかわりしたくなってしまうのが運の尽き。戻って着替えようにも、ベルトが締まりません。
  • 到着したときは広縁から日本海と共に夕陽が見えます。朝はこの窓から元気な太陽の日差しを浴びます。TVをかけるでもなく、何することも無く過ごすひととき。時折吹く風の音以外聞こえない静けさが保たれた空間。
    合わせて30畳の和室にダイニングと広縁、檜風呂。この客室を僅か2名だけで占有するのは贅沢でしょう
  • 「宿泊費用を抑えたいが、美味しい海の幸は豪快に食べたい。しかも部屋が広ければ言うこと無いんだが…。」
    その願いが叶う宿かも知れません。荒波にもまれた日本海の魚はひと味違います。まして近隣に漁港をかかえているので、活きが違います。囲炉裏の炭火が恋しくなるときで、どんがら汁も旨いとなると、断然冬がお薦めです。但し海沿いと言っても降雪はなかなかなので、覚悟して出発した方がいいでしょう。


  • 宿泊日…荒ぶる厳寒の日本海を臨む
  • 参考価格 一泊21000円
  • ホテル満光園の予約
  •                                                 
どんがら汁 豪勢な魚介類が並ぶ
庄内ひな街道
山形県の庄内地方の家々に古くから大切に受け継がれてきたお雛様。
優美な微笑みは、北国の春待つ心を映し出すかのように、喜びに包まれて飾られていました。

夕食 客室 風呂 サービス 清潔感
豪快な舟盛り 3部屋を自由に使用可 源泉掛け流し 必要最低限 気持ちいい布団
全て2人前のボリュームに唖然 大きな囲炉裏部屋付き 景色は臨めず 趣向の面白さ シックな色使い

 近場のお勧めスポット
  • 金太郎寿司
    鶴岡に行くと必ず訪ねるのが金太郎寿司。回転寿司ながら新鮮で旨い。特に大トロと中トロがお勧め。

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