春日温泉 リバーリトリート雅樂倶 スイート 白桜の間

 美しい風景で知られる富山湾。
 富山湾には、遠方の景色が変形する蜃気楼、1万年前には陸上にあった森の跡とされる海底林、春に産卵のため沿岸近くまで大群遊してくるホタルイカなど、神秘的な現象がたくさんあります。他にも様々な分野での活用が期待される海洋資源「深層水」や、海越しに3000m級の立山連峰を望むという世界でもまれな絶景など、世界のオンリーワンの魅力が満載な場所でもあります。
 魚津からさらに渓谷をのぼり、春日温泉を訪ねます。春日温泉で目指す宿は川のほとりにありました。
 リバーリトリート雅樂倶。リトリートとは隠れ家という意味です。 吹き抜けのロビーは天井まで大きく窓が切られ、いろとりどりの輸入家具が並ぶモダンな造りです。そこここにさり気なくセンス溢れるものが置かれ、こだわりが感じられる宿です。ロビーの隣には美術館があり、内外の陶芸家の作品が展示されています。
ちょうどウェルカムドリンク(紅茶、コーヒー、ジュース、ビールから選択)を頂いた頃から、このホテルの素晴らしさ、神通川を見渡すロケーションに魅入ることになりました。ロビーはもちろん、客室やレストランからも素敵な眺めを目にすることが出来ます。訪れたときは生憎の雨で川も濁流していましたが、客室に入った頃には雨もやみ、僅か1時間足らずの間に刻々と変わる霧と靄のショーは何と神秘的な事だったことでしょう。
 
夕闇迫る中、日本でも有数の多雨地帯がもたらした情景は非常に幻想的なひとときとなりました。

雄大な眺め

ロビー前の神通川 霧立ちこめる幻想的な風景
刻々と変わる夕景
客室テラス前 客室ジャグジーからの眺め

 客室はスタンダード、デラックス、スイートの3タイプがあり、今回は左記の図の通り、2FのスイートC、白桜の間に宿泊しました。最初はスイートAの胡蝶の間を考えていましたが、スイートA/Bは旧館、C/Dは新館だと言うことを聞いたので、事前に変更してもらいました。
 
 さて白桜の名称通り、白を基調にしたリビング、和室、寝室、浴室という構成です。客室内は115uあるので広々としており、また清潔感溢れ、居心地のいい空間となっています。
 
 リビングは黒のソファと椅子でモノトーンを表現。白壁には真っ赤なポスターをアクセントに配置するなど遊び心をくすぐります。TVや備品類は全て収納で埋め込まれており、すっきりしています。寝室には2台のベッドとテーブルが備わり、照明を落とすと落ち着いた雰囲気になります。
 
 間にある和室に布団を敷いていただけるという話もありました。この和室はコンパクトなので殆ど使用することなく、バッグを置いたり、着替えで使ったりする程度となりました。

 洗面室は2ボウルタイプで、ウッド調仕上げは、やわらいで落ち着きます。洗面室に続く浴室前にシャワールームをおき、窓側に大きなジャグジーを備えています。このジャグジーは何度か入りましたが、陽射しを浴びて輝き始める山里を眺めながらの朝が、一番爽やか気分でリラックス出来ました。

リビングより神通川 リビング全景
リビング内
ベッドルーム
コンパクトな和室 小粋なアクセント
化粧室 清清しい浴室からの眺め
リビングのミニバー 冷蔵庫(サービスのプリン)
  • 体調がもう一つで、1日目は温泉に入らず仕舞!惜しいことをしました。うちのがポッと赤らいで戻ってきたところを見ると、いい湯加減だったようです。大浴場も岩露天もあり、川沿いに面しているので、「風が気持ちよかった!」というコメ。
  • 夕食は和懐石もしくはフレンチ懐石。「西洋膳所おくむら」で腕をふるった松尾総料理長と言えば普通はフレンチ選択となりますが、やっぱり和食と日本酒を味わいたいので、和彩膳所という和食レストランでいただくことにしました。
    チャックイン時に選んだ浴衣は落ち着いた色調でしっかりとしたものです。ゆったり気分の浴衣から着替え直すのは煩わしいものですが、レストランはそのままでOKです。嬉しい心遣いと言えるでしょう。
  • 窓からの景色が一番映える席を用意してもらいました。
前菜 季節五点 旬の鮮魚盛り合わせ
鱸若狭焼き 白海老押寿司
雅風茶碗蒸し 石焼 鮑の柚風味
天麩羅(定食のよう?) デザート

  • 懐石と謳っていますが、地元の物をふんだんに使った和会席と言ったところでしょう。
  • 写真にはありませんが、椀物の「鯛葛打ち」が素晴らしかったです。また富山湾で揚がった鮮魚の盛り合わせ、食べやすい押し寿司にした白海老、熱々の石の上でお好みに焼く鮑など、どれも美味しく頂きました。特に海老の押し寿司の塩梅は最高でした。
  • 面白い趣向だったのが地酒セット。普通は飲み比べるような形で数種類登場するのですが、ここでは5種の日本酒が料理の嗜好に合わせて注がれるというものです。まずは食前酒として銀嶺立山の吟醸、前菜に合わせて八海山しぼりたて原酒、造りには五凜の純米生酒、豚の角煮の煮物椀に勝駒の純米吟醸、強肴に合わせて満寿泉の純米大吟醸雄町がしんがりとなります。5種の日本酒をただ愉しむのではなく、料理に合わせてチョイスされているところが、何とも愉快ではありませんか。
  • 熱々の物、冷たい物が交互に織りなし、食事を愉しむことが出来ました。このあたりは部屋食とは異なるダイニングならではでしょう。
    最後の〆は天麩羅か和牛ステーキを選択することが出来ますが、夫婦揃って天麩羅をチョイス。赤だしの味噌汁と共に香の物をつまみながら、温かい地物野菜で御飯が進みました。
  • プリン状のジュレにコーヒーがついて終了。ちょうど雨上がりの神通川を眺めての2時間余りでした。気ままで悠長な靄はいつの間にか夕闇の中に消えていきました。
ライブラリー
館内にある美術館 さり気ないオブジェが所々に
朝食は西洋膳処で 当然?和食をチョイス
  • 廊下や階段の贅沢な空間にガラス工芸品や陶器類が陳列されています。外に目を向けてもアートオブジェを多く見かけます。まさにホテル全体がまるで美術館のようです。
  • パブリックスペースにはギャラリー、ライブラリー、バー、カフェ、エステサロン、レストラン、茶室、フィットネスジムなど豊富にあり、それぞれの時間を愉しめます。
    その中でも
    ライブラリーは秀逸です。母体の会社の関係もあって建築関係の本もありますが、あまり手にすることが出来ないような宗教画、美術画、陶芸集が所狭しと並べられています。思わず椅子にもたれること1時間。ちょうどテーブル脇にハーブティーが用意されているところも心憎いです。

  • 悠久のときを刻む神通峡のほとりに建つ閑静な佇まい。僅か25の客室に大胆なアートスペース。随所に見かけるモニュメントや造形の数々。ホスピタリティの高さが伺える宿です。旅館業は初の異業種からの参加だからこそ、こういう経営ができるのかも知れません。この雅樂倶と共に石崎グループが楽翠亭をどう変身させていくのか、楽しみです。

    「やわらぎ、はずみ、ときめき、高鳴る」
    再訪あり!の宿でしょう。

  • 宿泊日 川面に浮かぶ靄にまどろむ
  • 参考価格 41000円    
  • リバーリトリート雅樂倶の予約
景色を眺めながら、本館ロビーのカフェでコーヒーやスイーツをいただきました。
ソファが心地よく、コーヒーカップも洒落ていました。

夕食 客室 風呂 サービス 清潔感
10
巧みな計算 明るく開放的 窓辺で和らぐ 秀逸なライブラリー 館内全体
一手間掛けた味に感服 すっきりで清清しい 温泉なら◎ アートにドキドキ 爽快感もあり

 近場のお勧めスポット
  • 越中八尾 おわら風の盆
    越中おわら節の哀切感に満ちた旋律にのって、坂が多い町の道筋で無言の踊り手たちが洗練された踊りを披露します。艶やかで優雅な女踊り、勇壮な男踊り、哀調のある音色…。8月下旬〜9月上旬の開催時期でなくても、情緒がある街並みは散策にぴったりです。
  • 富山ガラス工房
    様々な作家のガラスが楽しめます。富山ガラス研究所も隣接。

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