長崎県 西海市大島 オーベルジュあかだま デラックススィートツイン

  島々を巡る長崎県。海を眺めながら佐世保、そしてハウステンボスを抜けます。しばらく過ぎていくと西海市に入り、なお進んだところにオーベルジュあかだまがあります。大島大橋のたもと、豊かな自然に恵まれた所というよりは、他に何もない所にひっそりと建つ隠れ家のような佇まいといったところです。
 
 小さな島の中に突如現れるフレンチレストラン。すぐそばに海があるものの、周囲は雑木林に囲まれ、さながら森のレストランという言葉がぴったり当てはまりそうです。
 前身が20有余年という歴史を経た赤玉食堂で、1991年に「フレンチレストラン あかだま」として誕生。その後離れの宿泊できる宿泊棟が出来たということで、デラックススィートツインというコテージに宿泊してきました。もう1棟のスーペリアツインとの違いは、メゾネットタイプであること、広さは2倍の94uでリビングとベッドルームが別になっているということなので、そちらを選択しました。

 
夕食や朝食はすぐ隣りのレストランでいただきます。レストランは日帰り客のランチやディナーの席も用意されていますが、宿泊者専用に一段下がった窓際の特等席が用意されます。照明を抑えた席での食事は、まさに森林に迷い込んだような錯覚を覚えます。勿論朝食は宿泊客のみに振る舞われるので、別荘で専属の料理人に調理してもらっているような贅沢気分(オーナーさんスミマセン!)を味わえます。
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森の中の絶賛オーベルジュ

バルコニーから陽射しを浴びる1Fリビング
食事も愉しめそうなダイニングテーブル
窓からの眺め 2Fのベッド
明るい化粧室 面白そうなロフトが…
葡萄棚で涼しげなバルコニー

  • メゾネットタイプの客室はほぼ独立棟になっています。1Fは広さを確保したリビングとなっており、食事も出来そうなしっかりとしたダイニングテーブルがあります。ファミリーの場合は10畳ほどのフローリングにエキストラベッドを置けそうです。
    2Fはベッドとソファを中心とした憩いの場です。窓からは木々の間から大島大橋が見えます。バスには入浴用に数種類にバラが用意されており、香りと共に森林浴が愉しめます。
    1、2F共にコーヒーメーカーや紅茶類、CDプレイヤーが準備されており、気ままに過ごせる配慮が有り難いです。
    但し「自然を味わってほしい」というコンセプトから何処にもカーテンが無いのが惜しまれます。その考えは理解できても、2Fの寝室に無いと、朝の4時台から白々となってきて眠りを妨げます。
  • 隣りの棟の近くに団らんルームのような部屋が存在します。読書ルームと言ったところでしょうか。
  • 僅か2組だけのオーベルジュです。フレンチを独占し、しかも気軽に味わいたい方にはぴったりな宿です。部屋から数歩でレストラン棟に出向けるのも嬉しい配慮です。
  • 料理はフレンチのフルコースです。と言っても全てソースを主体としたものでは無く、全体的に和のエッセンスをちりばめたカジュアルなフレンチと言ったところです。
    食前酒から始まり、冷前菜は皿から溢れそうです。地魚のあぶりとほうれん草のコンソメジュレ、塩ウニのカナッペ、大島トマトのムース、たことアティチーク・トマトのマリネ、アスパラガスのムース、鯵の生春巻き、人参とサーモンのマリネ、地魚のバーニャカウダ風ブロッコリーのせ…。この後の料理が大いに期待される前菜です。
    その後メインである伊勢海老・ヒラメ・イサキ・真アジ・水イカ・などサルサソース、手長海老と豆豆のリゾット・フレッシュフォアグラのソテー、魚料理では 伊勢海老とヒラメのソテー、本日の魚の塩釜、伊万里牛のロースの網焼き、そしてデザートと非常に盛り沢山です。これらが有田焼のしん窯のプレートに添えられます。控えめでいてバランスと調和のある皿と彩り豊かな料理がベストマッチしています。
    見かけだけ重視されたレストランが多い中、新鮮な魚介類を仕入れた料理の数々は、質も十二分に満足できる味わいでした。
魚介中心の前菜 カルパッチョ
新鮮魚介をバルサミコ風味ソースで ? 忘れました!
伊勢エビと平目のソテー このほかに伊万里牛等も登場

ディナーの後に
「宜しかったら大島を案内致しますが…」というTELが。
車で大島展望台まで連れて行ってもらいました。
遙か先に五島列島を臨む方向に漁火漁船
天空には程よく北斗七星が見えました。
それに留まらず途中の名所やライトアップされた大橋や
桜並木まで見ることが出来ました。
料理を提供した直後、疲れている筈の時間帯に
シェフ自ら運転してくれたことに
サービスを超えたもてなしを
感じぜずにはいられませんでした。
「ちょうちょうさん」「いつもの奴」。
この2本の焼酎も
この町の地酒を味わって欲しいという
シェフの気持ちでいただいたものです。


朝食もなかなか…
焼きたて自家製パン 新鮮野菜のスープ
目を見張る朝食 皿一杯に盛られた焼き魚

  • 朝食もレストランでいただきますが、これで朝食?と思わせるほどにその量に驚かせます。フレッシュジュースと牛乳、焼きたてのボリュームある2種類のパン、そしてリゾットや昨晩の伊勢エビの頭を使ったスープ、何種類もの焼き魚がまた味わい深く、食欲をそそります。
    締めの季節の果物まで手抜かりがありません。近隣に住んでいるのであれば、この朝食だけでも食べに出掛けたいほどです。
  • オーナーシェフの中村浩徳氏を中心とした家族経営です。言葉少なにサーブする奥様と陽気で軽快な爺のおしゃべりが絶妙な宿です。あかだま食堂から世代交代して、上品なフレンチを目指すのであれば、父親には隠居してもらいたいと思うのが常でしょうが、効き過ぎたトークを咎める事無く、活躍する場を持たせているところに息子としての素晴らしさを感じます。またこの夫妻と愉快な父親の役割分担が、ややもすると縁遠いフレンチをぐっと身近にしているのも確かです。「爺に会いたい」。そんな声も聞こえてきそうなハートフルな島宿です。
  • 「月に1回は通いたい」。そう思うフレンチに出会えました。

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  • 宿泊日 海風涼しい森林の盛夏
  • 参考価格 21000円    
夕食 客室 風呂 サービス 清潔感
10 10
新鮮な魚介類 家族でも十分な広さ バラとハーブ添え 必要十分 行き届く手入れ
メインが何品も登場 明るい無垢素材 清清しい森林浴 愉しい趣向 シックな色使い
 

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