木曽御嶽温泉 開田高原 つたや季の里 風里 露天付風呂特別室 十二単 

自然に溶け込む佇まい

 長野県木曽郡木曽町。開田高原は木曽馬の里です。木曽馬は昔から飼われていた「日本在来馬」とか「日本和種」といわれる馬で、西暦530年代頃から飼育が開始され、昭和に入って軍用馬として不適格との理由で木曽系種雄馬は最後の一頭まで淘汰されます。しかし昭和21年、御神馬として密かに残されていた純系木曽馬の雄馬をもとに復元と保護育成事業が開始され、絶滅の危機を逃れました。現在は木曽に70頭が放されています。
 その開田高原は御嶽山の麓1000m〜1500m程にある自然豊かでのどかな場所です。自然に育まれた大地に寄り添うように、自然の中に溶け込むように建ってるのが季の宿風里です。遠くに御嶽山を眺めながら、自家栽培の高原野菜を頂けるというので、楽しみに出掛けました。

近隣にある木曽馬の里
蕎麦の花 白樺に映えるコスモス
ズッキーニ ブルーベリー
客室より野菜畑を臨む
整然と植えられた野菜畑
  • 白樺の道をゆっくり走ると、低層階の建物が見えてきます。篝火で照らされた宿からは、男性スタッフのにこやかな笑顔が宿泊客を迎えます。
  • 宿の前には木製のガーデンテラスや池などがあり、爽やかな風のもと、格好の散歩コースとなっています。テラスでは本を読む人、朝夕小道を散策している人など、それぞれ思い思いに過ごしています。湧き水を汲み上げた水樽にはラムネが冷やされています。
  • レタス、胡瓜、茄子、とうもろこし、ズッキーニなど10種類ほどの野菜が植えられています。隣の畑にはブルーベリーの苗木も数十本あり、丁度紫色に実った実を自由に頬張ることが出来ます。


木曽ひのきをふんだんに使用したラウンジ。
雑誌や本も置かれています。
  • エントランスやラウンジでは、ひとときを過ごしたくなるような温もりが感じられます。2階に上がるにはエレベーターがありますが、階段もなかなかの趣があるので、翌日は殆どエレベーターは使いませんでした。
  • 2階の端が宿泊した十二単の客室。大浴場はちょうど反対側の1階の端に位置しています。そのため客室から内風呂や露天(2つ)までかなり遠いのが難点でした。ただ廊下スペースは木製時計のギャラリーになっていたので、歩いていて飽きる事はありませんでした。
    大浴場の近くを希望する場合は、客室は1階の瑠璃草をお勧めします。こちらだと出てすぐに浴場があるので便利です。2階は眺めが良かったですが、次回宿泊するときは趣を変えて、瑠璃草でお願いしようと思っています。

10畳の本間

サンルーム 6畳の次の間
化粧室 冷蔵庫やポットが常備
明るい木曽ひのき

テラスに付いた露天風呂

野菜畑や御嶽山も
 
  • 露天付き客室は7室あり、そのうち特別室は1階の瑠璃草と2階の十二単です。特別室は10畳の本間に6畳の次の間が付きます。1階は水車、2階は御嶽山が眺められると聞いたので、2階の十二単に宿泊しました。
  • 客室玄関を開けると広々としたエントランスになっており、その奥に部屋があります。二間に加えて、サンルームのような4.5畳程の洋風の部屋もあり、ロッキングチェアと共にいいアクセントになっています。部屋全体がひのきで統一され、10年経過した宿とはいえども、非常に明るく清潔な室内です。
  • テラスの露天は適温に設定された温泉風呂です。一人しか入れない大きさですが、高原ならではの清々しさを感じながらの風呂もなかなかいいものです。時折1100mの標高の風が吹いてきて、肌に心地よいです。

夏野菜の冷製カクテル(胡瓜カエル) 金魚鉢と共に登場した前菜
天の川見立ての澄まし椀(人参ウサギ)
氷玉蛍見立て(夕闇の中に蛍が舞う?) 青から… ↓   
高原野菜サラダ 赤へ!?
天麩羅はテーブル前で実演
夏野菜の炊き合わせ 御嶽山雪解けすき焼き
別注の高原野菜。
瓦にのせて熱々の状態。
焼き野菜が甘くて
思わず唸りました!

三つ葉煎り胡麻の御飯 水菓子
  • 夕食は1階の食事処、味香房「季楽々」で頂きます。野菜畑に面して大きく窓が切ってあるので、開放感いっぱいです。各テーブルの間に仕切りはないものの、適度な間隔で並べられているので、他の宿泊客の視線は気になりません。それにパーティションが無い分、広がりが感じられてゆったりしていました。
    夕闇に消えていく高原を眺めながらの食事となりました。
  • 食事は開田高原の自然の恵みを活かした自然流「新菜野料理」です。前菜は生きた金魚が入った鉢にのせられて登場。お勤めを終えた金魚たちは、また目の前の池に戻されると言うことですが、涼感いっぱいの演出です。焼き無花果のジュレ掛けや長芋と生湯葉など、夏の彩りも見事です。野菜カクテルは胡瓜を使って蛙にしたり、氷の中に蛍を見立てたり、すき焼きには雪氷をかぶせて雪解けの御嶽山を表現したりするなど、若い板長の感性が至る所で感じられます。
    こういった演出が特段過剰と思わないばかりか、爽やかな高原と相俟って涼風を誘うようで、夏の木曽路の旅情を一層かき立てます。
  • 天麩羅はテーブル毎にやってきて、その場で揚げてくれます。冷製の料理に慣れたところでの熱々だったので、そのタイミングは絶妙です。よく冷えた食事処で料理を頂くので、夏と言えども冷/温を考えた料理の出し方は大事なことです。
  • 野菜を七夕に見立てたような品々に、改めて野菜本来が持つ美味しさを実感した料理でした。
    特に別注でお願いしていた焼き野菜は、何も付けなくても十分甘味を感じた料理です。妻を見ると「美味しい!」と顔に書いてありました。私の顔も満足感一杯だったのでしょうね。
  • 料理の食材は信州サーモンと信州牛が少々出ただけで、あとは殆ど野菜。いつも家庭でも野菜中心の食事なので、太陽を浴びて土の香りがする一番美味しい時期に味わった野菜料理の数々に大満足の夕食でした。

  • 宿泊客はカップルが中心でしたが、ファミリーや2世代夫婦まで見受けられました。皆さん時がゆったり過ぎるのを感じているようで、歩調もゆるやかで、話し声も静かです。
    ゆったり自然に浸かりながら時を過ごす宿と言って良いでしょう。風のそよぎや鳥のさえずりに耳を傾けたり、思わず散策をしたくなってしまう宿です。料理も自然の為すままです。肉や魚よりも「美味しい野菜が食べたい」という方には、もってこいの宿だと思います。

朝食はテーブルに基本の料理が添えられて、
ハーフバイキング形式になっています。

出汁巻き卵もテーブル毎に
熱々作りたてを提供します。

これが
ふわふわとろとろで絶品!

思わずつまんだ後の写真。
ご愛敬(笑)。
自家製豆腐に御飯が進みます。焼きたてのパンは持ち帰りも可能。
        
 近場のお勧めスポット
開田高原アイスクリーム 九蔵峠
2回も訪問! 標高1300mの眺望


夕食 客室 風呂 サービス 清潔感
夏野菜の美味しさに感動 ひのきの明るさ 快い風と風景 男性スタッフの心地よさ 磨かれた木の温もり
涼感溢れる演出/熱々を提供 開放的な間取り もう一回り大きさを 非常に丁寧な言葉遣い ガーデテラスや畑も整然
 

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