大洗海岸 里海邸 明神

 大洗海岸は岩と岩に囲まれた海水浴場で、自然の海水プールのようになっています。水の透明度が高く、茨城県有数の海水浴場として知られ夏場には沢山の人で賑わいます。
 その海岸付近にある大洗磯前神社は
海上の岩の上に鳥居が立っています。徳川光圀公は当神社を参拝の折にこの景観を称え、
「あらいその岩にくだけて散る月を 一つになしてかえる浪かな」と詠まれています。毎年元旦宮司以下神職は神磯に降り立ち、太平洋に昇る初日の出を奉拝します。海岸の岩礁に神が降り立ったという由縁の地は、鳥居から昇る日の出を拝もうと大勢の参拝客や写真家が訪れる地でもあります。
 その海岸沿いに宿を構えてから120年。昔の金波楼の伝統を受け継ぎつつ、代替わりした若夫婦が目指した願いが込められた宿はオープンしてまだ10日余り。折しもあの震災からちょうど8ヶ月目にあたる里海邸はひたむきな姿でいっぱいでした

 里海邸再訪 客室「袖ヶ浦」はこちら   
 「明神」再訪はこちら   

穏やかな太平洋

 
 日の出の瞬間
   
 
テラス
   
時を刻む毎に異なる色合い  
   
 広々とした半露天 
  • 里海邸は海に面した4F建てです。今回宿泊した2Fの「明神」を始め、全ての客室からテラスデッキから太平洋が一望できます。
    岩に砕ける波の音だけではなく、砂に戯れる水の音まではっきりと聞こえてくる距離です。
  • 大洗磯前神社の第一鳥居も手に取るような近さです。朝方の6時台には10数名の観光客が砂浜におり、日の出の瞬間をカメラに収めていました。この客室のデッキは海抜5mほどあるので、ちょうどいい視野が開けます。
    遙かな眺望はまさに独り占めです。いえ、二人占めです(笑)。

和室/リビング  
白木材を使用した床/家具  
   
カウンターにミニキッチン 
iPhone、iPodファンには
有り難いアイテム
 
   
 ワンボウルの化粧室 
 
  • 客室「明神」は和室10畳、リビングルームが12畳でツインベッドルームを備えた87uです。テラスや檜の半露天は二人で過ごしても十分な広さを備えています。白木材を使用し、床も淡い色を使っているので明るさは格別で、清潔感もいっぱいです。また部屋は使う側に立って仕切っているので、デッドスペースがありません。そのため面積以上の広さを感じます。
  • リビングにはミニキッチンスペースがあり、ポットの他に冷蔵庫が2台。1台は空になっているので、ワインや日本酒などを持参して冷やすことが出来ます。コーヒーや緑茶類は常備してあります。
  • オーガニックな家具類を置き、色合いのバランスが取れています。また余計なものを出来るだけ省いた空間となっているので、程よい高揚感もいつの間にか収まり、リラックスしている自分に気づきます。
  • ベッドルームも明るくて開放的な配置をしていますが、就寝時は仕切りを付ける事で波音も消されて安眠が約束されます。

ごま和え   ほっき貝
三種盛り  地元の酒 
 冬の定番 アンコウ鍋 
鍋は2種類の味  炊き合わせ 
根菜類の炒め物  豚肉の? 
〆は御飯を入れて… 
 
  • 若い板長が作る料理は、オーソドックスながらきめ細やかさを感じます。それでいて昔の概念に拘らず、新しい発想が随所に伺えました。(お品書きが無かったので、料理名は殆ど覚えていません)
  • 冬の定番のアンコウ鍋はまずはポン酢で、その後炊きあげてからは味噌仕立てで味わうので2度楽しめます。我が家は夫婦でやや苦手としていたのですが、連絡はせずにチャレンジしてみました。お好きな方には堪らない鍋となるでしょう。
  • 関東地方でありながら、薄味でまとめられていた料理は我が家好みでした。アンコウ鍋を中心に据えたので、料理の順序に幾分違和感がありました。また酒類のバリエーションがもう一歩でしたが、このあたりはすぐに解決していくことでしょう。
  • 料理をのせた器は殆ど笠間焼の大津晃窯を使用しています。素朴な色合いが料理を引き立てるので、翌日はその店に直行しました。
  • 明神では客室でも夕食をとることが可能ですが、今回は畳敷き個室の食事処でいただきました。食事処だと水平線と同じ高さになるので、海に沈みゆく太陽を眺めながらの食事、夕暮れに染まる空を見つめながら酒を酌み交わす…。様々なシチュエーションで愉しめそうです。

 
 
朝食  
   
朝食は素晴らしいものでした。
特に干物は最高でした。
かますの何と美味しかったこと!!
さんまの味醂漬けも旨い! 
  • 干物類は全て板長の手作りです。大洗の潮風と共に塩加減が絶妙なのでしょう。日持ちさせるために干物を作るのではなく、旨みを凝縮させた魚を味わってもらいたいという心意気に感動です。
    この干物、魚種を変えて夕食でも出してもらいたかった逸品です。これを食べるためだけに訪れたいと思う味に出会いました。

     
 
 大浴場付近の休憩処 
 
 大浴場 
 
談話室/ライブラリー  

  • 駐車場につけた途端、仲居さんよりも早くご主人夫婦が駆けつけました。何かと一生懸命さがひしひしと伝わり、そのひたむきな姿勢は、客として見ても大変快いものに映りました。お二人の思いが様々な形となって表れているのを感じ、エールを送りたくなりました。
  • 海に面した宿という事で、実は予約段階から何処かに心配があったのは事実です。しかしこの里海邸は何かに守られているのでしょうか、休息の地を見つけたような安堵感がありました。沢山の繁栄と大きな恵みをもたらす海は、ときとしてなかなかに惨い洗礼をもたらす事もありますが、たおやかで穏やかな海を眺められたのは夫婦として幸いでした。
  • 120年続いた宿が今後も益々繁盛しそうな情熱を感じました。いずれは全国に知れ渡る名宿として活躍されていることを期待したいと思います。
  • 客室が素晴らしくて非常に快適に過ごせたので、大晦日の宿泊予約をしてきました。初日の出は客室の露天風呂で迎えたいと思います。今から楽しみです。

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  • 参考価格 41950円(優待価格の期間あり)
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夕食 客室 風呂 サービス 清潔感
8 10
デザートにも心遣いを 使い勝手が素晴らしい 眺望抜群 仲居さんもご主人も◎ 白を基調
朝食は満点! 東側の化粧室は◎ 温泉だったら…! 伝わる一生懸命さ 維持するのが課題
 

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