とおの屋要
岩手県 遠野市
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- 「旨いどぶろくが呑みたい」「美味しい料理が食べたい」それを叶えるのがとおの屋要だ。
- ご主人の要太郎さんは料理人であり、醸し人でもある。しかもどちらも極めたいという並々ならぬ意欲が見られる。やや邪道な言い方ではあるが、いわば食の世界の”大谷翔平”。それが過言ではないほど希有な存在だ。
- 1日一組限定なので、その料理&どぶを独占できるオーベルジュは何とも贅沢。発酵や熟成の手法を用いるだけではなく、食材を全国から調達。使用する器も食器以外からも転用するなどかなりのこだわり。調度品や家具類もなかなか。これだけ手をかけているにも関わらず、料金があまりにリーズナブル。これで都市部近郊にあれば料金が跳ね上がってもおかしくない。しかもミシュランに掲載され、予約不可能となるだろう。
- 但し「遠野」だからこそここを目指すのも確か。広々とした原風景に代々続いた人間の営みと日本の山村が未だに息づいている。
精神性がリセットされ開放をもたらすのは遠野の地ならではだろう。 - 料理は何でも美味しかったが、特に熟成した鳴門鯛が抜群だった。またどぶろくは「スタンダード」「生酛」「水もと」と3種類になり、「どぶきゅーる」というフルーツ味も登場。「スタンダード」と「水もと」を計三杯もいただくほど感動的な旨さ。雑味が無くてスルスルと入っていくミルキーなどぶろくだった。
- 雑誌にどぶろくが掲載されるようになったようで、現在は売り切れ状態。米から始めている方なので、急に増産するのは難しいと思う。そうなると暫くの間は宿泊しない限りどぶろくはいただけない状態が続くかも知れない。
遠野はまさに地名の通り遠かったが、今は東北自動車道と釜石自動車道でノンストップ。一般道を一切走らずに到着するのでアクセスが格段に良くなった。またどぶろくから火がついてお宿自体も予約困難になるのは必至。「旨い!美味しい!」を味わいたいのであれば、早いうちに予約した方が良いだろう。 - ひとつふたつキーワード提言するならば、の話。
「遠野」&「ステップ」…かな。 - まだ20台前半?のスタッフだと思うが、何の仕事に就いても十分やっていけそうなバランス感覚。謙虚さと柔軟さを合わせ持ち、しかも知性を感じる素敵な女性だった。
- オーナーの佐々木要太郎さんを始め、若い世代の頑張りが様々な世界で見られるようになった。伝統を重んじながら新しい世界を常に見いだしていく創造と革新。頼もしい限りだ。
- 詳しくは前回の宿泊編を参照。
- 平成に訪ねた「とおの屋要」はこちら。
- 参考価格…26000円
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